見分け方と対策法 |
「カム送り」要対策ロックセット 一覧表 |
メーカー |
フロント表記
(刻印) | 対策法(各メーカー推奨、一部未発売も含む) |
MIWA |
LAMA
LASP |
- ケースを対作品に交換する(純正、他社製品)
- ケースに防止金具を装着する(純正、他社製品)
- リングカラーに防止リングを装着する(他社製品)
*LAMA標記のものについては型式がLA(レバー式)とMA
(ノブ式)に別れます。
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LD
LDSP |
- ケースを対作品に交換する(純正)
- ケースに防止金具を装着する(純正)
- リングカラーに防止リングを装着する(他社製品)
*これらの商品は一部特殊機種を除いて、すべて廃番となっています。(03.6月末現在)
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BH
BHSP |
GOAL |
ASLX
HD |
- ケースに防止金具を装着する(純正)
*ASLXはレバーハンドルタイプと本締り錠のみが対象です。ノブ式は該当しません。
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SHOWA |
535(535D)397
CL-30 |
- ケースに防止金具を装着する(純正)
*535刻印のものには、ノブタイプ(535)と本締り錠(535D)の2タイプがあります。刻印はいっしょです。
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HORI |
1210
1310
1110
1171
1311-64
1311-51
1311-38 | |
以上、4メーカー15機種、重複型番含む (2002.9.12 警察庁発表) |
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フロント刻印とは、ドアを開けたときに見えるアーマープレート(別名:フロント)にある刻印のことです。
これが上の表と合致しない場合は、対策の必要がない商品である可能性が高いでしょう。
なお、MIWA商品の対策済みケースは、フロントの刻印の下に「_」があります。 例) MIWA LA・MA
この場合は、対策は不要であると思われます。
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この手口はシリンダーの問題ではなく、錠前本体(ケース)の問題ですから、対策としては、それを現行の対策品に交換してやることがベストです。もしくは、ケースの「攻撃にさらされる特定部位」を「対策パーツ」で塞いでやることで、ほぼ完全な対策が実現できます。以下は具体的な対策についてです。
また、おおまかな危険部位によって、以下のように危険度の仕分けが可能です。危険度が高いと思われる商品については早い処置が必要だと考えますが、それ以外については優先順位を落としてもかまわないという意見もあることを附しておきます。
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MIWA LA・MA について
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LA・MAケースの画像 |
シリンダー装着部の上部に穴が開いているこのタイプは、発表機種の中でも、特に犯行に遭う可能性があります。
ここを金属製の防止カバーで塞いでやることで、完全に防御することが出来ます。
また、上級の方法として、錠ケースを対策済みのものと交換することもおすすめします。
なお、対策部品について当社では汎用性の高いものを中心にご案内しています。低いものについてはあえてご案内していないか、その旨を明記させていただいております。
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LA防止カバー(オリジナル商品)
ケースに装着して危険部位を完全に塞ぎます。
350円 |
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KAKEN カバー
ケースは外さずに(シリンダーは外します)装着できるカバー。
500円 |
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純正ケース
危険部位を塞いだ現行ケース。ご注文の際はバックセット寸法をご指定ください。*レバーハンドルの種類や長座の形状によっては装着できないことがあります
2500円 |
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HORI/GHケース
すべての面でスペックを上げた交換用ケース。純正では使用不可なものにもほとんど対応する汎用性も魅力です。
3500円 |
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対策済シリンダー
危険部位を塞ぐように工夫された形状のシリンダーです。現在GOAL V−18GMLAがこれに該当します。ご注文の際は、対策商品と明示ください。
*対策が必要ない商品の場合は、対策品だと装着できない場合があります
シルバー;6500円 色付き;7500円 |
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狙われやすいケースの危険部位 |
| 左図のように「長座プレート」がついている場合は、上記のケースが使用されていたとしても、カム送りでの開錠は物理的に不可能な場合がありますので、ご安心ください。 |
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その他の商品
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GOAL AS・LXケースの画像(B種) |
上記以外の商品は、ケースの上部や側面がそっくり開いているタイプになります。比較的攻撃が難しいので、リングを動かなくする程度でもそれなりの耐久力があります。
画像はGOAL AS・LXですが、他のものも似たような部位が開口になっています。
青丸はシリンダーの装着部
これらの錠は、上記LAMAタイプよりは攻撃が難易なようです。特に、木製ドアの場合や、框が狭い場合は、工具の挿入が難易です。
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MIWA LD防止カバー
当社オリジナル。バックセット違いの汎用性が高いカバーです。
350円 |
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MIWA BH防止カバー
当社オリジナルのカバーです。
400円 |
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MIWA LD交換用ケース
危険部位を塞いだ現行ケース。ご注文の際はバックセット寸法をご指定ください。
*レバーハンドルの種類によっては装着できないことがあります
3000円 |
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MIWA BH交換用ケース
危険部位を塞いだ現行ケース。ご注文の際はバックセット寸法をご指定ください。
2500円 |
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GOAL ASLX防止カバー
危険部位を塞ぐ純正パーツ。
100円 |
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GOAL HD防止カバー
危険部位を塞ぐ純正パーツ。
100円 |
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SHOWA 防止カバー
危険部位を塞ぐ純正パーツ。型式をご指定ください。
300円 |
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HORI 戸厚調整リング
リングの動きをころすリング。リングカラーの下に入れるので、外観的にはいっさい露出しません。厚さが違う3枚がセットになっています。
800円 |
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SHOWA 本締り錠(535D)
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リングを噛ませるという方法について
一部にはリングカラーが動かなくすることが肝要だというような理解をされている方もいらっしゃいます。これは、当時ほとんどの報道で「スペーサー」をシリンダーカラーの下に装着する方法が紹介されたからですが、この方法はあまりお勧めしていません。
まず、市販のリングは厚みが多様で、それを付けたからといって必ずしも隙間がなくならないため。それから、従来より外観が目立って変更されてしまい、きれいに仕上がるとは言いがたいため。また、機種によってはリング自体の破壊撤去が簡易なため、スペーサーをつけて動きをなくしたところで、あまり意味をなさないと考えられるためです。実際には、リングよりもメーカー純正のケース装着パーツのほうが強度も信頼度もあり、なおかつ安価であるため、そういう観点からもリングの設置はあまり意味がなく、根本的な対策にはならないとされるわけです。
ところで、唯一純正として推奨しているHORIの商品についてですが、これは実験してみればわかることですが、扉に装着された状態でのカム送り作業は、本来非常に困難で、ゆえにリング固定程度でも十分に耐久できると考えられています。また、シリンダーとリングカラーの間に挿入し、外部からは見えなくなるために、市販のスペーサーリングとは意味が違うと考えられます。
なお、TVで紹介された露出型汎用調整リングでは装着できないシリンダー(アルファーFBやGOALV-18、MIWA EC、PXなど)も多数存在します。また、シリンダーに針金を巻きつけるという方法も言われていますが、外観もいかにも素人対策のようになってしまい美しくありませんし、簡単にはずされる危険性もありますから、かならずしも得策ではありません。
さらには、クラビス、カバスター、バイサスなどの主要な交換用シリンダーには、リングカラーの動き幅を少なくするリングワッシャーが付属しています。付属していないものでも、汎用部品によって動き幅を少なくすることができます。どうしても気になると言う方は、それらで動きをなくすのもいいでしょう。
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カム送り開錠 よくある質問 |
ピッキング対作シリンダーに交換しているのですが |
ピッキングとカム送りは、まったく違う方法です。
特定機種以外の大多数のシリンダーは、カム送りの対策は施されていませんので、すでに交換されていても、更なる対策が必要になります。 |
これは欠陥品ではないのですか | 記者発表を受けた某全国紙Y新聞が「9000万台の錠で欠陥が明らかになった」と報じたことから、このような認識をもたれている方が多いようですが、これは事実と異なります。それ以外のメディアで、「欠陥」「リコール」などと報じたところはございませんし、記者発表の席でもそのような話題は出ていません。 |
うちの錠はリングが動くので不安なのですが |
警察発表のリストをご覧ください。
それに該当しなければ、たとえ動いても攻撃のしようがありませんので、この手口については不安に思われる必要はありません。 |
なぜ、リングが動くのですか |
これは、扉の厚さが違う場合のクリアランスをもたせるための構造す。違う厚みのドアに設置できるよう、国内の錠の大多数がこのような構造になっています。
たとえば、MIWA社のLAタイプシリンダーですと、33mm以上42mm未満が標準扉厚とされています。 |
うちは2ロックになっているのですが対策は必要でしょうか |
その2つの錠がどちらも対策が必要な商品の場合は、対策されるに越したことはありません。ただ、犯罪心理的にはたいへん面倒なので、至急対策を取りなさいとまではいかないと思います。
なお、面付け補助錠であれば、この手口の危険がある商品は存在しませんので、安心ください。 |
なぜ、リングを付ける事を推奨しないのですか | 外観が変になるからです。そのほうが、対策してることを容易に知らしめるのでよいという意見もありますが、それによって完璧な対策になるのであればまだしも、あくまで仮対策の域を出ませんから、お勧めすべきとは考えていません。同等かもっと安い金額で、もっと完璧な対策が可能ですので、あえて勧めるものでないと考えています。 |
対策自体に消極的な発言がもされているようですが・・・ |
検証しましたが、今回対策が必要だとされている一部機種については、扉装着状態ではたいへん開錠が難易であったため、それらについては「緊急性は薄い可能性がある」と考えました。
また、錠の設置状況によっても、そう簡単には攻撃できないこともわかっています。
ですから、緊急性について2段階に分けてご案内しています。
さらに、早めの広報も功を奏したのか、今回の手口はピッキングやサムターン回しほど爆発的な数の事例の発生には至っていません。
もっとも、絶対に不可能ではないため、念のためにも対策されたいということであれば、特に拒絶するものではありません。 |