ドアを狙う、その他の手口
2006。Marb.12.UpDATE




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■ こじ開け ■
■ かぎ穴壊し ■
■ 錠シリンダーもぎ取り ■
■ かぎ盗難 ■
■ かぎ不正作成 ■
■ かんぬき切断 ■
■ 丁番切断 ■
■ 手口の流行について ■
  よく言われる「ピッキング」や「サムターン回し」以外にも、ドアを狙う手口は、いくらもあります。昔から知られる手口から、珍しい手口までいろいろありますが、ひとつ言えるlことは、ぞいっさいにこれらで被害にあったお宅が存在するということです。




 

こじ開け
 バールなどを用い、開きドアを強制的にこじ開ける方法で、昔からよく見られる手口のひとつです。大きな音がすると思われがちですが、夜間のマンションで行われるほどでしかありません。
 ドアや枠は、たとえスチール製であっても、変形に耐えれるほどの強度はありません。変形する(ドアと枠の隙間が広がる)と、かんぬきがはずれて、ドアが開いてしまいます。



こじあけ対策
長いかんぬき
かんぬきが短い錠は、ロックのかかりが浅く、耐久度が低いいので、長いものに変更します。かんぬきの長さで18mm以上、かかりしろでは14mm以上が目安です。
2ロック
かんぬきが2箇所以上かかる構造では、こじ開けでの開放が難しくなります。補助錠を設置しましょう。バランスよく離して付けると、特に効果的です。
鎌デッドボルト
鎌状になったデッドボルト(かんぬき)を装備した錠は、たとえ1ロックであっても、こじ開けに対する耐久度が格段に上がります。
ガードプレート
バールが入りにくいように、戸先の隙間を隠蔽してしまいます。
内開き
日本の玄関ドアはほぼ外に向かって開く構造ですが、欧米で多い内開き構造では、たいへんおきにくい手口になります。






かぎ穴壊し
 かぎ穴を、鉄工キリやホールソーといった先端工具を装着したドリル、もしくはドライバー、ハンマーなどで穿孔、殴打し、破壊開錠する方法で、法定性能表示においても「かぎ穴壊し耐久」として耐久時間の表記を求められています。実際に被害が蔓延しているというものではないのですが、この表記(3段階評価)において最低の「5分未満」のものについては、何らかの対策を検討してもよいでしょう。



かぎ穴壊し対策
後日の対策は事実上不可能なので、最初から耐久時間があるシリンダーを選択するしかありません。
また、多少弱いものであれば、2ロックなどの複数施錠で、時間を稼ぐことが可能です。






錠シリンダーもぎ取り
 シリンダーをバール、プライヤーなどでもぎ取る方法。旧型の製品には、これに著しく弱いものが少なからずあったことが知られています。昔の製品で、リンダーが扉から1cm以上飛び出しているものは、注意が必要です。



もぎ取り対策
一部の交換シリンダーでは、これに対する防御策があるものがありますので、そういったものと交換することも良いでしょう。
また、現行機種で、そういった手口に強い錠ケースと、まるごと交換することも可能な場合があります。






カギ盗難
 カギ自体が他人の手に渡って、それが悪用されるケースです。

パターン・1 カギを落とした場合
住所がわかるものと一緒に盗まれた場合、それをたどって侵入することがあります。

パターン・2 置きカギ盗難
帰宅者のために、ポストや植木鉢の下、メーターボックスの中などにキーを置いておく行為を「置きカギ」と言いますが、これを盗まれて堂々と侵入されるケースがあります。

パターン・3 予備キーの盗難
一度他の手口で侵入した物件でキーを発見、それを保有しておいて、後日、何度も侵入を繰り返すことがあります。

パターン・4 不正使用
不動産業者の社員が、賃貸物件の合鍵を使用して侵入し、乱暴、殺人事件にまで発展した事件が、かつてありました。また、別れた彼氏が、当時の合鍵を使って侵入、盗撮カメラを仕掛けたという事件もあります。

パターン・5 暗証番号の流出
暗証番号式の場合、それが盗み見られたり、ボタンの汚れ具合から推測されるケースがあります。その場合、鍵の流出と同義になります。



かぎ盗難対策
キーは、基本的には肌身はなさず持っておくもので、不用意に他人に貸したり、置きっぱなしにしてはいけません。もし怪しい案件があったり、気になる件があった場合は、シリンダーを交換するなどの事前策が必要です。なかにはストーカー化するケースもありますので、怪しい兆候がある場合は、すみやかに、最寄の警察や不動産管理会社などに相談した方が良いでしょう。
現状の戸締り用シリンダーは、法定性能表示にて、付属しているキー(コカギ)の本数が明記されています。新設、交換の場合、それと員数を照合することも良いでしょう。






不正かぎ作り
 いつの間にか作成された合鍵を使って、侵入される手口です。コピーが簡易なキーは、特殊な技術がない人間であっても、ホームセンターなどで数百円でも作れてしまいます。また、キーによっては、IDナンバーから不正に作成することも出来ます。
キーを不用意に誰かに貸してしまった場合に起こりうるものですが、それ以外にも、不用意に見せて(見られて)しまった場合、上項のように盗み出されて不正コピーされる場合もあります。その場合、キーが元に戻されているにもかかわらず、侵入が繰り返される可能性もあります。
また、鍵違い数が極端に少ない商品の場合、同じキーで開く錠が、世の中に複数出回っていることがあります。場合によっては、隣の部屋がなぜか同じ鍵で開いてしまったと言うケースもあります。




不正かぎ作り
複製が困難なキーというのがありますので、そういったものとシリンダーごと交換することで回避できます。
ただし、キーの複製についてはおおまかに3段階のレベルがあります。不案内な不動産業者やホームビルダーの場合、それを正しく理解できておらず、コピー可能なものを「出来ない」と表現することが頻繁にありますので、よく確認した方が良いでしょう。
 レベル・1 どこでもキーが作れる
たとえ耐ピッキング性能が高くても、美和ロックのU9などはコピーは簡単です。利便性が高い反面、この項を気にする向きには、不向きと言えましょう。(ただし、精度が要求されるので、失敗する業者も多いのですが)
 レベル・2 複製は可能だが、難しい
多くのディンプルキーは市中での複製が困難と思われがちですが、設備を持った専門業者であれば、コピーは可能です。たとえ、メーカーアナウンスでは複製できないとされるものであっても、代理店レベルで製作できたり、設備によっては「何とか開けられる鍵」が作れることもあります。
 レベル・3 メーカー以外でのコピーは困難
メーカーでないと製作が困難なものこそ、もっとも安全性が高いと言えます。それらの多くは、別途に付属したIDカードや身分証の提示がなければ、製作の受付さえ出来ません。
また、ICカードや、指紋などの生態認証などは、複製の困難さと言う点では非常に優れたものです。


 



かんぬき切断
 錠のかんぬきを金切りノコなどで切断し、ロックを強制的にはずす手口。特に両開き、スゥイングといった、かんぬきが丸見えになる構造の扉で、おきやすい手口です。



かんぬき切断対策
ガードプレートなどで、かんぬきが丸見えにならないように目隠ししてやると、防げます。
また、かんぬきがやわらかいものではなく、それなりの強度がある錠を選択することも必要でしょう。


 



丁番切断
 丁番をベビーサンダー(電動切断と石)などで切断し、戸の反対側からこじ開ける手口です。日本で多く見られる外開き扉は、丁番が外に露出するため、そのような被害が起こる可能性があるわけです。
 また、切断ではありませんが、儀星丁番と呼ばれる種類のものは、芯棒が簡単に抜けてしまうので、切断するまでもなくはずされる危険性があります。旧式のアルミサッシや、木製意匠扉(一品製作もの)では、使われるケースがあります。



番切断対策
切断等されても戸が外れないように、ドアボスという金物をを設置すると良いでしょう。


 



手口の流行
 よく、「新手口があきらかに」などというマスコミ報道がありますが、手口の多くは、従来、鍵開錠業者が業務上使用する手法が転用されたものです。逆に、手口としては稀ではあっても、実際にドア錠を開ける方法はいくらもあります。それらが手口に転用されたときに、「新手口」という表現が使われるのですが、業者側から見れば、あくまで「想定の範囲内」ということになります。

 それらも含め、ある手口が突然流行することがあります。ピッキングなどがその最たるものです。とりあえずそれに対する対策を行うことは有効ですが、その他にも控えている多くの手口がありますし、また、周期的にそれらが巡ってくることもあります。目先のものだけに固執することは、あまり得策ではないといえるのは、そういう意味です。

なお、これらをすべて排除する錠やドアというのはありませんが、それに最も近いのは、いわゆるCP認定の扉ということになります。それは、各手口への対策が取られていることもありますが、それらが総じてまんべんなく行われているという点があることも忘れてはいけません。















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