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ここで言う「マンション」とは、鉄筋コンクリート製の中、高層(4階建て以上)の集合住宅(一部店舗の入居物件も含む)のことです。また、2階建て、3階建ての低層の集合住宅を「アパート」と呼びますが、どちらも手口の傾向は似ています。
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かつてマンションは、防犯的に有利だと考えられていました。堅牢な壁で囲まれ、地上から離れた場所にあり、特定の人しか入場できないオートロックが存在し、唯一の侵入口である玄関も鉄の扉で覆われている・・・。
確かに、マンションは一戸建て住宅よりも侵入窃盗の発生数が少ない時期が長くありました。しかし、現在では、その安全神話は完全に崩れたといっても過言ではありません。
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集合住宅「安全神話」のターニングポイント |
マンションが安全でなくなった分岐点は、1999年だと言われています。このころから問題になっていたのが、ピッキング手口です。
中、高層のマンションでは、侵入経路が玄関などのごく一部に限定されていました。少なくとも窓ガラス(戸建て住宅で圧倒的に多い侵入経路)よりは攻略し難く、それ故に侵入発生数が少なかったのです。しかし、ピッキング技法の蔓延によって、その「難攻不落の要塞」の多くが、いとも簡単に突破されるようにってしまったのです。
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玄関から、窓へ・・・ |
ピッキング渦以降も、サムターン回しなどの玄関扉や錠を狙った手口は次々と増加してきました。しかし、最近になってその傾向に変化が見られるようになってきたのです。それは、玄関ではなく、窓を狙う手口の激的な増加です。
従来も、低層階や最上階のバルコニー面などでは、ガラス破りによる侵入は、むしろ多数派でした。しかし、それ以外のフロアでも、そういった手口の増加が顕著になってきたのです。これは、玄関施錠対策が、新築物件を中心にかなり一般化して来たのに対し、窓サッシの防犯化がたいへん遅れていることを突いてきたものと考えられています。つまり、ディンプルキー、2ロック、鎌デッドボルトなどが付いていない新築分譲マンションはほぼ皆無になって来たのに対し、キー式補助錠、防犯ガラスなどを装備したそれは、極端に少ないのです。
また、住人が「いくらなんでもここからは・・・」と考える部位が、実際には侵入することが可能であることが多いのも問題の一端です。多少侵入しにくいバルコニーであっても、そこから入られるケースはありますし、逆に、いざ入ってしまえば防犯力が弱いケースがたいへん多いわけです。
>> 窓の防犯対策は、こちらへ!
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マンションもアパートも同じようなつくりのドアだと思っている方がいたら、それは大きな間違いです。鉄筋コンクリート造のマンションには、軽量スチールドアという鉄製のドアが使われています。一方、2階建てなどのアパートでは、アルミ製のドアが使われることが多いのです。これは、建物の構造に伴うドア枠の設置方法の違いでもあります。確かに、軽量スチールドアは、バールなどの攻撃に弱いのですが、アルミドアは枠の強度が、さらにその下を行っているのです。つまり、同じ玄関補助錠を、同じように設置したとしても、アパパートのほうがマンションの場合より、確実に簡単にこじ開けられてしまう可能性が高いのです。 |
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まず、マンションのドアでおきがちな手口について、発生しがちな順位を付け、そのうちのどこまでに対応させたいのかを検討する必要があります。以下、マンションでのドア、錠破り手口の発生数ランキング(H16年)です。
1・サムターン回し
<対策>
- サムターンを対策品に交換する
- 対策済みの補助錠を新設する
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2・ピッキング
<対策>
- ピッキング対策シリンダーに交換する
- 対策シリンダー付きの補助錠を設置する
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3・こじ開け
<対策>
- ガードプレートを付ける
- 鎌式デッドボルト錠に変更する
- 補助錠を付ける
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余裕があれば実践
ドアボスをつける<丁番切断対策>
防犯ブザーを付ける
カメラで監視する |
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メンタル |
施錠を確認する |
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これが最強の扉だ!! |
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集合住宅の特殊性として、たとえ持ち家(区分所有権者)であっても、勝手に改変できない部分が存在します。たとえば、玄関ドアのノブをレバーに変える、補助錠を追加設置する、サッシガラスを防犯ガラスに入れ替えるといった場合、いちいち管理組合の了承をとる必要があります。これは「ドアやサッシは区分所有者の所有物だが、外観に関しては統一性が図られるのがマンションの基本であり、改変によりそれが損なわれることは問題がある」という概念から来ています。おおむねどこのマンションでも、それを意味する管理規約が存在します。
ピッキング渦以前は、カギ穴(シリンダー)を特殊なものにするだけでも、まずいとする考えさえ一般的でした。現在では、シリンダー変更ぐらいは黙認されているところが多いのですが、補助錠設置になると、やはり管理組合の許可を得てという場合も少なくありません。その場合でも、機種や設置位置を指定されている場合もあり、ましてや、暗証番号式などの明らかな大きなもの、派手なものなどは許可が出ないこともあります。
ガラスの変更にしても、たとえ同じような透明のものであっても、外から見ると光線の具合で色が違って見えたりすることもあり、やはり勝手にすることは出来ません。※1 外回りに面する部位の大きな変更前には、必ず管理組合に確認を取ってからおこなってください。
なお、ドア自体は所有物ですから、サムターン対策などの室内側のみの変更で完結する対策については、住人の意思のみで、どのように変更してもOKです。
※1 平成16年に公表された国交省編纂の「マンション基本管理規約」のなかでは、「防犯性の向上のためにガラスの変更要望があった場合には、基本的に了承できるものとすることが好ましい」と表記されています。
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Q1 鎌式デッドボルト錠の1ロックと、普通のスライドかんぬきの補助錠での2ロックは、どちらのほうが防犯的でしょうか? |
鎌式とスライドでは、明らかに鎌式のほうが、こじ開けに強くなります。これは、ドアや錠のみならず、枠の脆弱性までカバーすることができるからです。スライドデッドボルトの場合、支点を増やすことでかんぬきが抜ける危険性を物理的に抑止するものですが、枠の強度まで補完できるものではないので、特にアパートなどの木製下地枠では、明らかな差が出てしまいます。これらのことから考えるに、こじ開けに関して言えば、鎌式デッドの1ロックのほうが、強度があると言えましょう。
なお、他の策(ピッキング、サムターン回し)についてまで考えるなら、スライドデッドでの2ロックも、効果はあると考えます。たとえば、追加設置する補助錠を鎌式のものにするなどという、両者を併用する方法のほうが、より強い対策であということは、間違いありません。
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Q2 うちは賃貸なのですが、どのような対策が必要でしょうか? |
賃貸契約(借主)の方は、こちらをご覧ください。
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